邪気を除く芦毛の御駒参り
どんな伝承か
『奥相茶話』は、元日から三日の間は主将から民間に至るまで清浄潔斎し、三日の晩に御駒が参ってから一同魚鳥の料理で祝うと記す。穢れのあるものは火を別にし、水も同じ井を汲まず、顔も人に見せずに籠っているという。春の初めに芦毛の駒を見れば、その年中の邪気天災を除くと言い伝える。芦毛の馬の首ばかりを木で作り、尾髪に紙木綿を付けて七歳以下の男児が乗る。三日の昼から御馬参れと城より催促の使を七度遣わし、まず妙見堂に参って堂の縁に立ち祭文を読み、太鼓を打って駒の足音を表す。それから城の台所で勤め、往昔からの一族旧臣の家々を廻ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
将門伝説——民衆の心に生きる英雄(梶原正昭・矢代和夫・(平将門伝説の研究書))
梶原正昭・矢代和夫『将門伝説——民衆の心に生きる英雄』を、論考の節単位で全67事例として収録した研究書(地域伝説集ではない)。平安中期の平将門(承平天慶の乱)をめぐる伝説を、英雄の死と伝説の誕生(冥界・調伏・怨霊・首の怪異・七人の影武者・妙見信仰・石化)、落人たちの運命(将軍太郎良門・如蔵尼の堕地獄と救済・滝夜叉姫・桔梗塚の寵妃・後裔と将門遺跡)、将門伝説の展開(馬の文化・関東一円の分布圏・文芸化・首塚の祟りと再評価)として論じる。