二十三夜尊の兜仏
どんな伝承か
栗栖院の梵鐘を鋳造して供養したとき、湯本氏の先祖がその発起人となり、仏師の宿泊も引き受けた。仏師は六十日滞留して鐘を仕上げ、その奇特に感じて、当家が信仰する仏像を鋳て志に報いようと申し出た。先祖は、我が家は古来二十三夜尊を信仰しているのでこれを鋳てほしいと願い、勢至菩薩の兜仏、丈二寸余りの銅像一体が鋳造された。以来この像は守護仏として湯本家に代々伝わり今日に至るという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
将門伝説——民衆の心に生きる英雄(梶原正昭・矢代和夫・1966年(昭和41年))
『将門伝説——民衆の心に生きる英雄』は、梶原正昭と矢代和夫が一九六六年に著した平将門の伝説の研究書である。茨城県岩井町をはじめ各地の伝説地の踏査と、縁起・古記録・地誌をもとに、将門の怨霊と調伏、七人の影武者、子の良門や娘の如蔵尼、寵妃桔梗ら落人の行方、後裔を名告る家々、伝説の伝播と文芸化をたどる。序章と三篇からなり、巻末に青森県から鳥取県までの伝説分布と、寺社縁起など関係文献の抄録を附録として付す。