重盛の遺骨の上に植えた乳房の銀杏
どんな伝承か
羽生市小松の小松神社の東側に、樹齢八百年に近い銀杏がある。伝えによると、平家が滅びたとき、平重能が小松内大臣重盛の遺骨を奉じて逃れ、この地に至って骨を埋め、その上に銀杏を植えた。それがこの木だという。枝は四方に広がり、乳房が垂れたような形のものがある。乳の少ない婦人がこの乳房を削って煎じて飲むと、乳の出がよくなるといわれる。
原典より
伝えるところによると、平家滅亡のさい、平重能が小松内大臣重盛の遺骨を奉じて、のがれてこの地に至り、これを埋めてその上に銀杏を植えた。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成――分類と解説 上』は、韮塚一三郎が埼玉県内の伝説を類型ごとに集めて編んだ伝説集の上巻である。片目の魚、化かす狐や狸、松・杉などの樹木、石や岩、ダイダラ坊と山、清水・渕・池・井戸にまつわる県内各地の伝説を、郷土誌や地誌、『埼玉史談』などの文献と、地元の資料提供者や話者の報告から採って収める。各話に所在地と出典を添え、話型ごとに〈解説〉を置いて全国の類例と信仰の背景を論じ、[参考]文献を挙げる。