トップ > 埼玉県の伝承 > 羽生市

火の玉となって恋人のもとへ通う地蔵

所在地埼玉県羽生市大字羽生
年代伝承
登場三角利兵衛、下地蔵を鋳造した江戸谷中の仏師
出典埼玉県伝説集成——分類と解説 中

どんな伝承か

羽生市羽生の上町と下町にはそれぞれ地蔵堂があり、上地蔵・下地蔵と呼ばれる。上地蔵は宝永六年に観音寺の住職が勧進して建て、下地蔵はその八年前に江戸谷中の仏師三角利兵衛が鋳たものである。上野の彰義隊の戦いが終わり、江戸が東京と改まって世が落ち着いたころ、男の下地蔵が女の上地蔵に思いを寄せ、毎夜丑三つ時に真っ赤な火の玉となって風を起こし、地を転がって通っているという噂が立った。噂は近郷にも広まって娘や子どもは夜の外出を控え、正体を見届けようとする若者もいたが、恋を妨げることはできなかったという。火の玉を見たという老人も最近まで存命だったと伝わる。

原典より

男性におわす下町の地蔵様が、女性におわす上町地蔵様に思いをかけられ、夜毎、夜毎丑満時にお通いになるというのである。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用
地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)

『埼玉県伝説集成——分類と解説 中』は、韮塚一三郎が編んだ埼玉県の伝説集の中巻で、上中下三巻のうち歴史伝説を収める。地名・屋敷・家系・聖地・城や堤や橋・神仏・神体と宝物・偉業・事件と紛争の九章に分け、県内各地の伝説を『新篇武蔵風土記稿』などの文献と土地の人からの聞き取りによって集めている。一話ごとに所在地と出典または資料提供者を記し、同じ類型の話をまとめた後に柳田国男らの説を引く〈解説〉を置く。

種別から探す

火の玉

羽生市の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『埼玉県伝説集成——分類と解説 中』の伝承