雷を呼んだ雷電宮の二俣竹
どんな伝承か
羽生市常木の雷電宮には、大久保彦左衛門が奉納したという二俣の竹が伝わる。長さ一メートルあまりで、根元は一本だが先が二つに分かれている。『新記』によると、この竹はもと社地に生えていたもので、当地の地頭だった大久保彦左衛門忠教が杖にしようと切り取ったところ、たちまち雷が鳴り響いて従者が気を失い、雷鳴は幾日もやまなかった。恐れた忠教は罪をわび、自ら竹に銘を彫って社に納めたという。銘には慶長三年八月一日の日付と彦左衛門の名が記されている。
原典より
此二俣竹は、昔当社地に生ぜしものなるを、大久保彦左エ門忠教、当所の地頭たりしとき、伐り取て杖になさんせしに、忽ち雷とどろきわたりて、従者悶絶し、…—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成——分類と解説 中』は、韮塚一三郎が編んだ埼玉県の伝説集の中巻で、上中下三巻のうち歴史伝説を収める。地名・屋敷・家系・聖地・城や堤や橋・神仏・神体と宝物・偉業・事件と紛争の九章に分け、県内各地の伝説を『新篇武蔵風土記稿』などの文献と土地の人からの聞き取りによって集めている。一話ごとに所在地と出典または資料提供者を記し、同じ類型の話をまとめた後に柳田国男らの説を引く〈解説〉を置く。