雷のへそを預かった秋篠寺の常暁律師
どんな伝承か
承和七年(八四〇)の夏、秋篠寺の僧である常暁律師が雷を捕らえた。雷が命だけは助けてくれと懇願すると、律師は、二度とこの寺に来ないようお前のへそを預かっておこうと言い、雷のへそを取り上げた。いまも同寺には雷の臍と呼ばれるものが伝わっている。里の人々はこの寺には雷が落ちないといい、夕立の折などにはこの寺に身を寄せて雷を避けるという。
原典より
承和七年(八四○)の夏、秋篠寺の僧、常暁律師は雷を捕えた。—— 奈良市史 民俗編――伝説(奈良市(編)・奈良市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
奈良市史 民俗編――伝説(奈良市(編)・奈良市史)
『奈良市史 民俗編――伝説』は、自治体史『奈良市史』民俗編のうち、第十一章「伝説」と巻末の「民俗資料」の冒頭を収めたものである。昭和三十七年から三か年にわたり市内各町の自治会長や古老、社寺を訪ねて集めた伝説に文献の伝えを加え、春日大社・東大寺・興福寺などの社寺や、吉備真備・俊寛・中将姫らゆかりの人物にまつわる話を収める。木・石・塚・水・山・森・社寺・人物・動植物・町名の十節に分け、一話ごとに題を立てて記す。