良弁杉・楊貴妃桜・天狗杉ほか霊木の伝説
どんな伝承か
奈良市に伝わる霊木・名木の伝説。良弁杉は東大寺二月堂の下の大杉で、東大寺建立に尽くした良弁僧正が幼い頃さらわれ、この杉の梢にかかっていたのを義淵僧正が見つけて養育したと伝わる。良弁は成長後この杉を父母と慕い、三十年後に母とこの杉の下で再会したという。楊貴妃桜は興福寺の石段上にあり奈良で一番遅く咲く。天狗杉は大安寺・東九条らの氏神八幡神社の境内にあった巨杉で、寛文年間のある夜ほら貝の音がして木の下へ来ると音が止み大風が吹いたので天狗の所業とされた。十兵衛杉、縁結びの椿、平城宮跡のモロの木など、木にまつわる伝説が語られる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
奈良市史 民俗編――伝説(奈良市(編)・奈良市史)
『奈良市史 民俗編――伝説』は、自治体史『奈良市史』民俗編のうち、第十一章「伝説」と巻末の「民俗資料」の冒頭を収めたものである。昭和三十七年から三か年にわたり市内各町の自治会長や古老、社寺を訪ねて集めた伝説に文献の伝えを加え、春日大社・東大寺・興福寺などの社寺や、吉備真備・俊寛・中将姫らゆかりの人物にまつわる話を収める。木・石・塚・水・山・森・社寺・人物・動植物・町名の十節に分け、一話ごとに題を立てて記す。