桔梗姫の首飾りが星になった将門伝説
どんな伝承か
秩父には平将門の伝説が多い。城峯山は将門が藤原秀郷と戦った古戦場とされ、大血川の名も、下野の染谷川から敗走してきた将門の兵九千余人が無明橋のほとりで腹を切り、その血が川に満ちたことに由来するという。城峯山で最後の一戦を交えた将門は、石間城に近い洞窟に身を隠した。ところが愛妾の桔梗姫が敵にその居場所を密告したので、将門は姫を斬り捨てた。敵方の秀郷はこれを哀れみ、姫の首飾りを取って空へ投げると、それが空に貼り付いて、今のかんむり座の星になったという。この話は将門の残党が吉田の地に来て伝えたとされ、この地方ではこの星座を「くびかざり座」と呼んでいる。
原典より
城峯山は平親王将門が藤原秀郷と戦った古戦場だというし、太陽寺の前を流れる大血川は、将門の兵九千余人が、下野国染谷川から敗走して来て、無明橋のほとりで割腹したので、その血が流れて川に満ちたので、その名がおこったといわれてい…—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成――分類と解説 上』は、韮塚一三郎が埼玉県内の伝説を類型ごとに集めて編んだ伝説集の上巻である。片目の魚、化かす狐や狸、松・杉などの樹木、石や岩、ダイダラ坊と山、清水・渕・池・井戸にまつわる県内各地の伝説を、郷土誌や地誌、『埼玉史談』などの文献と、地元の資料提供者や話者の報告から採って収める。各話に所在地と出典を添え、話型ごとに〈解説〉を置いて全国の類例と信仰の背景を論じ、[参考]文献を挙げる。