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乳母ヶ池とよな川の小石供養

所在地埼玉県川越市仙波(乳母ヶ池)
年代永禄六年(太田道灌の時代)
登場太田道灌、世称姫、およね、よな川に身を投げた百姓の娘(小石供養の由来)
出典埼玉県伝説集成——分類と解説 上

どんな伝承か

川越市仙波の下手に乳母ヶ池という池があった。太田道灌が川越城を築いたとき、姫の世称姫が人柱となって田濃武の沢の小川に身を投げ、乳母も悲しんで傍らの池に身を沈めたので乳母ヶ池と呼んだという。姫の投じた川は世称川、通称よな川といい、片葉の芦が生え、通る人は「よねさん」と呼んで小石を投げ入れて供養する。別の伝えでは、松平大和守の家来に見初められて嫁いだ百姓の娘およねが、姑にいびられて離縁され、この川に身を投げた。「およねさん」と呼んで石を投げると波紋が広がり、底から「はあい」と悲しげな返事が聞こえるという。『川越素麺』などは底知れぬ深みが七所あり七つ釜と呼ぶと記す。

原典より

仙波下に「乳母ヶ池」という伝説の池があった。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)

『埼玉県伝説集成――分類と解説 上』は、韮塚一三郎が埼玉県内の伝説を類型ごとに集めて編んだ伝説集の上巻である。片目の魚、化かす狐や狸、松・杉などの樹木、石や岩、ダイダラ坊と山、清水・渕・池・井戸にまつわる県内各地の伝説を、郷土誌や地誌、『埼玉史談』などの文献と、地元の資料提供者や話者の報告から採って収める。各話に所在地と出典を添え、話型ごとに〈解説〉を置いて全国の類例と信仰の背景を論じ、[参考]文献を挙げる。

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