松原湖の御神渡りと三本松の占い
どんな伝承か
南佐久郡小海町の松原湖に伝わる七不思議の二つ目。湖の浮木明神のあたりから、対岸の下社の前に立つ三本の松に向かって御神渡りが走る。氷の筋が上の松に上がれば凶作、中の松なら豊作、下の松なら豊作だが大水が出るとされ、松から外れるほど上は凶作が、下は大水がひどくなり、乱暴な渡り方なら戦が起こるという。昔は大寒に入って三日のうちに必ず現れたが、ある夜ひそかに様子をうかがった者がいてから日が乱れるようになった。浮木明神以外に出たものは偽物とされ、中部電力が湖の水を使うようになってからはあまり見られない。
原典より
昔、御神渡りは大寒入り三日中に必ずあったが、或る時、夜ひそかに御神渡りのできる様子を窺った者があった、それ以来御神渡りの日は不規則になったとか。—— 信州七不思議(降幡利治・1984年(昭和59年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
信州七不思議(降幡利治・1984年(昭和59年))
『信州七不思議』は、降幡利治が昭和五十九年に著した信州各地の七不思議を集めた本である。諏訪大社上社と下社の御神渡りや筒粥に始まり、松原湖、生島足島神社、川中島古戦場、志賀高原、浄光寺、雲上寺、立石など県内各地に伝わる七不思議を、町村誌などの資料と聞き取りをもとに記す。各地の七つの事柄を箇条に掲げて関わる社寺や史跡の解説を添えるガイド風の構成で、序では越後の人が信州人の気質を評した七不思議を紹介する。