葛井神社の池に沈む木の葉と抜け穴
どんな伝承か
諏訪大社上社前宮から北へ四キロほど、茅野市上原にある摂社葛井神社の神池は、どれほど深いのか誰にも分からないという。池に落ちた木の葉はたちまち沈んでしまい、池に棲む魚はみな片目だとされている。また十二月の大晦日に、この社に仕える神人が供物を器に入れて池に沈めたところ、翌朝その器が遠州の鎌田の池に浮かび上がったと伝わる。二つの池が地の底でつながっているという抜け穴の伝説である。
原典より
十二月大晦日、この社に仕えている神人が、供物を器に入れてこの池に沈めたところ、その器は翌朝遠州鎌田の池に浮び出たという抜け穴伝説。—— 信州七不思議(降幡利治・1984年(昭和59年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
信州七不思議(降幡利治・1984年(昭和59年))
『信州七不思議』は、降幡利治が昭和五十九年に著した信州各地の七不思議を集めた本である。諏訪大社上社と下社の御神渡りや筒粥に始まり、松原湖、生島足島神社、川中島古戦場、志賀高原、浄光寺、雲上寺、立石など県内各地に伝わる七不思議を、町村誌などの資料と聞き取りをもとに記す。各地の七つの事柄を箇条に掲げて関わる社寺や史跡の解説を添えるガイド風の構成で、序では越後の人が信州人の気質を評した七不思議を紹介する。