御手洗川の氷の下から必ず出る蛙
どんな伝承か
諏訪大社上社で元旦に行われる神事で、七不思議の二つ目に数えられる。正月の厳しい寒さのなか、神前を流れる御手洗川に張りつめた氷を神人が斧で打ち割ると、川底から蛙が姿を現す。神人はそのうち二匹を捕らえて小さな弓で射、生贄として神前に供える。どの年であっても蛙が出てこなかったためしはないという。この蛙狩りに続いて御頭御占の神事が行われ、その年に諏訪大社の諸行事に奉仕する地区である御頭郷が決められる。
原典より
いつの年でもこの蛙の現れぬことはないという。—— 信州七不思議(降幡利治・1984年(昭和59年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
信州七不思議(降幡利治・1984年(昭和59年))
『信州七不思議』は、降幡利治が昭和五十九年に著した信州各地の七不思議を集めた本である。諏訪大社上社と下社の御神渡りや筒粥に始まり、松原湖、生島足島神社、川中島古戦場、志賀高原、浄光寺、雲上寺、立石など県内各地に伝わる七不思議を、町村誌などの資料と聞き取りをもとに記す。各地の七つの事柄を箇条に掲げて関わる社寺や史跡の解説を添えるガイド風の構成で、序では越後の人が信州人の気質を評した七不思議を紹介する。