到津八幡神社の祭礼と魔除けの紙の花
どんな伝承か
小倉では、到津八幡神社の十月十四・十五日の祭礼に、町内をあげて紙の花を作り、傘鉾に差して車力に積み、氏神へ献上した。この花は稚児や参拝人、神輿に関わる人々に一本ずつ配られ、魔除けとされた。氏子はもちろん練り神輿にも加わるが、花の献上はそれとは別の形での祭りへの参加であった。各地区で氏子が祭礼に積極的に関わる意気込みに氏神への信仰が表れる一方、都市の神社では世の変化にともない、一部の行事を取りやめたり御神幸に自動車を使ったりする変化も避けられなくなっている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。