移すと悪夢を見せるこく地蔵
どんな伝承か
天籟寺の安田藤右衛門宅の内にある地蔵は、「こく地蔵さん」と呼ばれている。先祖から伝わったものだとかで、宝暦九年卯六月三日の刻字がある。はったい粉を供えて参ると、咳の病に霊験があるという。同家では、畑の隅ではもったいないと近くのお堂の横へ移したが、その後、悪夢に悩まされるようになったので、また元の位置に戻したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。