甲州八田のしはぶき婆の石
どんな伝承か
甲州八田に「しはぶき婆の石」と呼ばれる石がある。何の変哲もない二貫目ほどの三角石だという。姥石にはもとより色々の形があり、多くは珍しい姿でまず人を驚かせたらしく、中には明白に人工を加えた石もある。たとえば日光街道の楡木の宿の西、松山(一名大師ヶ窪)の岡の上にある姥石は高さ五六尺あり、四面に四体ずつ計十六体の地蔵が彫られている。八田の石はそうした各地の姥石を並べて論じる中に、最も素朴な一例として挙げられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。