島の神を巡り締める寄瀬浦の権現祭
どんな伝承か
北九州市小倉北区の藍島、寄瀬浦の大江権現祭りは四月三日に営まれる。もとは旧暦三月三日の雛節句を祭日とし、それに先立って峠のさこんだから始め、毎晩お籠り通夜をしながら島の神々を巡り、七日目に大江権現で締めくくる形であった。この間に島の人々は四斗もの酒を飲み干したという。いまはごんげん祭と呼び、島じゅうの老若男女が着飾って弁当を提げ、社前の砂浜に集まる。ムシロを敷いてご馳走を囲み、酒宴を開き、芸の出し物や少年相撲でにぎわう。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。