火難を封じる木下の椋の木まつり
どんな伝承か
北九州市小倉南区東谷の木下では、二月と七月と十二月の二十日に椋の木まつりが今も営まれる。椋の木の神様と呼ばれる火難封じの祭りである。樹齢千年を超すとみられるムクの木の根元に空洞があり、その前の石祠に神は祀られている。当番は地区を三組に分けて順に回し、当日は男が注連縄を張り、女がご馳走を調える。夕方には天台宗玄清派の僧が座元の家へ来て、御幣を切り、座頭琵琶を奏でながら経をあげて神を勧請する。直会ののちは文引きに興じ、夜ふけにアズキ粥が出て雑魚寝で明かした。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。