市丸大清水神社の御神幸と耳に効く穴あき石
どんな伝承か
小倉南区市丸の大清水神社の秋祭りは十一月七・八日の二日間で、七日の夜祭(よど)には横代神楽を招いて神楽を舞い、八日に御神幸が出る。市丸の若い衆は派手な長襦袢に白足袋はだし、豆絞りの鉢巻き姿で集まり、神輿を担いで石段を登り神殿前で神移しをする。神輿は拝殿の周りを練ってから鳥居をくぐり、大川(東谷川)の河原のお旅所へ向かう。神輿歌には平尾山から湧く水は氏子の命の水だと歌う文句がある。行列は宮総代を先頭に金幣や弓矛、白い神馬に乗った神職が続き、かしわ井堰の河原で儀式を行う。その間、子供たちは河原で糸の通る穴あき石を探して持ち帰った。この石は耳垂れや難聴など耳の病に効くと信じられていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。