黒崎おくんちとキツネ・タヌキ
どんな伝承か
黒崎の岡田神社の秋季大祭、いわゆるおくんちは十月十八・十九日に行われる。氏子総代が境内に幟を立て、町内会は国旗を、各家は御神燈を軒先に掲げた。十九日の本祭では神事のあと神楽や博多にわか、舞踊、子供相撲、映画などが催されることもあった。家々は親類や友人を招いて夕方から夜半まで宴を張り、帰る客には餅やおくんち料理を持たせたが、酔った客が帰り道でキツネやタヌキにその土産を取られたという話が数多く語られている。黒崎町が八幡市に合併した大正十五年ごろから、農村の旧い習わしを改める風潮によって次第に衰え、今は神社での行事だけになった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。