天籟寺の秋祭りと黒米の拠出
どんな伝承か
天籟寺の秋祭りは収穫を感謝する祭りで、村をあげて盛大に営まれ、十月二十四・二十五日が祭日である。祭神は菅原大神で、宮司は八幡神社の宮司が兼ねている。準備はまず幟立てからで、向え方が神社前、中組が村中、井の上方が村はずれと組ごとに受け持つ。社前には新藁で作った大注連を張り巡らすが、これを作り、前年のものと取り換えるのは若い衆の役目である。費用は各戸が黒米(玄米)を出し合って賄い、神職への一年分の報酬もそこに含まれた。拠出の量は村の世話人が戸ごとに決め、多くて一斗、少なくて一升とほぼ固定しており、村人は一言の不服も言えなかったという。集めた黒米は散使という区長付きの用務員が神職のもとへ届けた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。