毛髪を飾る淡島明神の笈
どんな伝承か
大里には昔、淡島明神をまつった笈を背に負った者が回ってきた。笈の周りには人の毛髪や色とりどりの布切れが飾られており、雑多な物を並べ立てる様子をこの土地で淡島さんのごとあるというのは、その姿から出た言い回しだという。笈を負った者は家の門口で経文を唱え、住人が賽銭を差し出すと礼を述べて次の家へ移っていった。近ごろはその姿もほとんど見かけなくなっている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。