歌を途中まで歌って願う疣地蔵
どんな伝承か
羽生市中手子林には、名主の家柄で大正の初めごろにこの地を去った塩田家の屋敷跡があり、そこに疣地蔵が立っている。像の高さは約一・三メートルで、台石には明和六年の年紀が刻まれている。この地蔵はいぼを治してくれるといわれ、自分の好きな歌を途中まで歌って治療を願い、すっかり治ったら残りを全部歌ってお礼参りをするという。つい近年まで、まれに祈る人がいたという。
原典より
自分の好みの歌を途中まで歌って、治療を願い、全治したら全部歌ってお礼参りをする。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成——分類と解説 中』は、韮塚一三郎が編んだ埼玉県の伝説集の中巻で、上中下三巻のうち歴史伝説を収める。地名・屋敷・家系・聖地・城や堤や橋・神仏・神体と宝物・偉業・事件と紛争の九章に分け、県内各地の伝説を『新篇武蔵風土記稿』などの文献と土地の人からの聞き取りによって集めている。一話ごとに所在地と出典または資料提供者を記し、同じ類型の話をまとめた後に柳田国男らの説を引く〈解説〉を置く。