大和浜・須多組の首里辞令
どんな伝承か
奄美大島の大和浜には須多組と呼ばれる祝女の家があり、今も百四、五十年前に首里から下された辞令を大切にしまっている。その辞令には「須多の祝女」と記されている。時代が移ると島の祝女はどこの神にも従わなくなったが、代わる保護者もいなかったため、古いしきたりは自然に崩れるにまかされた。須多の家は伝来の作法の多くを省き、大和の人の妻になることも禁じなかったが、もう一方の家は今も古い掟を守り、内地の人に嫁ぐことを許さなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第1巻』は、柳田国男の著作を集めた著作集の一巻である。椰子の実の漂着から日本人の渡来と稲作を海の道に求める論考と、海神宮考・みろくの船・根の國の話・寶貝のこと・稻の産屋などの諸篇、大正期の南島旅行に基づく『海南小記』、昭和二十六年八月の自序をもつ『島の人生』を収める。いずれも海と島を舞台に、ニライカナイや宝貝、漂着や島の復興をめぐる民俗と歴史を論じている。