白樽夫婦が久高島に得た麦栗豆
どんな伝承か
『遺老説伝』巻二は、往古、玉城郡百名邑に白樽という孝行者の男がいたと記す。玉城按司に見込まれ、免武登能按司の娘を妻とした。夫婦で野へ出た折、東の海に隠れ見えする小島を見つけ、乱世を厭うて小舟でそこへ渡った。泉も土もよく住むに適していたが食べ物がなく、伊敷泊で子孫の繁栄と食物の豊かさを祈ると白い壺が流れ寄った。白樽が取ろうとすると沈んで取れず、妻が屋久留川で身を清め潔衣を着て袖を広げると、壺は自ら袖に乗った。中の麦や栗や豆を古間口に播いたのが五穀の始まりで、その島を久高島と呼ぶという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第15巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全185話(奄美・沖縄=南西諸島)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。