七度身を売った孝子ナヽユーフィ
どんな伝承か
天久の人里を少し過ぎて、安謝の悲しい故跡へ下りて行こうとする坂の口に、道に面してナナユーフィの墓がある。近世式の見事な墓穴の前に、石を建てて詳しく故事を叙している。ナナユーフィは七度身を売って奴となり、七度身を贖った後、ついに長者となった人である。父に事えてこれほどまでに苦しんだゆえに、至孝には天の御褒美があって、その末は永く栄えていわゆる血食の幸を享けている。路を隔てた岡の田をまた七ユーファとも呼び、孝子が月の光で耕作をした遺跡だという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第1巻』は、柳田国男の著作を集めた著作集の一巻である。椰子の実の漂着から日本人の渡来と稲作を海の道に求める論考と、海神宮考・みろくの船・根の國の話・寶貝のこと・稻の産屋などの諸篇、大正期の南島旅行に基づく『海南小記』、昭和二十六年八月の自序をもつ『島の人生』を収める。いずれも海と島を舞台に、ニライカナイや宝貝、漂着や島の復興をめぐる民俗と歴史を論じている。