為朝に教わった土鍋と献納の習わし
どんな伝承か
青ヶ島では、いつのころからか鎮西八郎為朝がこの島にも渡ってきたと信じられていた。島の大童を一人連れて八丈へ帰ったとも伝える。土を日に乾かして土鍋を作る術も、この将軍に教わったのだと称し、その礼として八丈へ渡るたびに、十二の土鍋と十二組の木の弓矢を小島の八郎明神社へ献納する習わしがあった。もしそうなら為朝の時代にはすでに島に住人がいたことになるが、今の島人との繋がりはごく幽かで、土鍋の由来ばかりが残っているのがかえって不思議だと著者は記す。青ヶ島の開闢を語る書物はなく、すべて口から耳への伝えである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第1巻』を全451話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。