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二俣の市で酔って帰る山の男

所在地静岡県浜松市天竜区二俣町二俣
年代大正期
登場山村の男たち、宿の同宿者
出典定本柳田国男集 第2巻

どんな伝承か

二俣の宿で、同宿の客が宿帳を眺めていると、繭買いや材木商など遠方の旅客にまじって、近くの村々から職業を農と書いた人が大勢泊まっていることが分かった。月に六度の市が立つこうした町は、平穏な山中に住む人々がときおり世の中を見に出てくる場所である。山の人は暖かさを好むので母や子のために綿や木綿を買うが、同じ理由で酒の酔いも喜んで求めた。市と酒とは切っても切れない仲で、亭主が用を作っては町へ出かけ、ほろ酔いで歌いながら帰ってくるのでは、女房はたまったものではなかろうと著者はいう。

原典より

實際山々の口元に、若し二俣の如き町が無かったら、新時代は永く此人々の目に、蓬萊の夢であつたかも知れぬ。—— 定本柳田国男集 第2巻(柳田国男・定本柳田国男集) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

定本柳田国男集 第2巻(柳田国男・定本柳田国男集)

『定本柳田国男集 第2巻』は、柳田国男の紀行と旅の随筆を収めた著作集の一巻である。昭和三年一月の自序に続く「雪国の春」や菅江真澄の日記を読み解く文をはじめ、東北の村々の正月、火と炭、浜の暮らしの見聞、「秋風帖」「東国古道記」、昭和十五年十一月の自序を持つ「豆の葉と太陽」などの紀行を並べる。峠や古道、佐渡・五箇山・熊野などの土地を、住む人の暮らしと信仰から見ようとする文が多い。

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