炭焼きの道で見た背の高い山男
どんな伝承か
松崎の旅館で聴いた、船田の百姓であった按摩の話である。二十年ばかり前、ある男が提灯をつけて炭焼竈を見に行ったところ、道の傍に丈のきわめて高い男が立っていた。山男である。見上げれば幾らでも高くなるということを聞いていたので、つとめて下を見て通り過ぎた。こういう話は多く聴いたということである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第3巻』は、柳田国男の紀行・日記・随筆を集めた著作集の一巻である。相模・武蔵の村々を歩いた「水曜手帖」、昭和二十三年八月の自序を持つ「北国紀行」、明治四十三年の「五十年前の伊豆日記」、国際聯盟の委任統治委員会に勤めた大正十一年の「瑞西日記」と「ジュネーブの思ひ出 その他」を収める。後半の「菅江真澄」は昭和十七年二月の序を付け、真澄の著述と旅の跡を年を追ってたどり、写真解説を添える。