蝮に左目を奪われた貝淵の産土神
どんな伝承か
木更津市貝淵の日枝神社に祀られる産土の神にまつわる話。昔この神は白馬にまたがって貝淵の辺りで戦ったが、戦いの最中に馬が急に驚いて跳ね上がり、神は振り落とされて葦の茂みに落ちた。そこにいた一匹の蝮が神の目に食いつき、神は左の目を失ってしまった。そのため貝淵の産土神は片目だという。神は貝淵の人々に、今後は葦を生やすな、白馬を飼うなと命じ、蝮も出ないように封じた。以来この土地には葦も馬も蝮もいないと伝えられる。
原典より
昔、貝淵の産土の神様が、白馬に乗ってこの辺りで戦った。—— 房総の伝説(平野馨) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の伝説(平野馨)
『房総の伝説』は、平野馨が安房・上総・下総の旧三国、ほぼ今の千葉県に伝わる伝説を選んで編んだ資料集である。ホトトギスやワラビの由来、片葉の芦や頼朝の箸の杉、弘法の井戸、将門や八幡太郎の話、坂戸神社の人身御供、証誠寺の狸など、動植物・石・池・地名・家・祭りにまつわる伝説を市町村名を添えて記す。はしがきに示す自然伝説・歴史伝説・信仰伝説の三部に分け、解説や論評を加えずに書き連ね、似た話のある土地も併せて挙げる。