木ノ芽峠の地蔵と十数年後の仇討ち
どんな伝承か
南条郡鹿蒜村の木ノ芽峠での話。旅人を殺した馬子が、峠の地蔵に向かって誰にも言わないでくれと頼むと、地蔵は、自分は言わないがお前が言うなと答えた。馬子は罪滅ぼしのため巡礼となり、十数年の後に再びこの峠を訪れた。地蔵の前で道連れの旅人に昔の出来事を打ち明けたところ、相手は殺された者の子で、その場で仇を討たれたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年))
『日本伝説名彙』は、柳田國男の指導のもとに日本放送協会が昭和二十四年に編んだ伝説の名彙である。全国の伝説を、その拠り所となる木・石・岩・橋・清水・淵・塚・坂・屋敷・地蔵などの地物の名ごとに集め、伝わる県郡村名を付して、郡誌・市町村誌や伝説集、民間伝承誌などの出典を括弧で示す。冒頭に柳田の「傳説のこと」を置き、木・石岩・水・塚・坂峠・祠堂の部に分けて、巻末に資料の解説と種類別索引を付す。