数千の蟹が守った願興寺の本尊
どんな伝承か
美濃の御嵩にある願興寺の本尊は、土地で蟹薬師と呼ばれている。伝えによれば、わずか一寸八分ほどの小さな如来がこの地に姿を現したとき、数千匹もの蟹がその身を取り囲むようにして守っていたという。この不思議な出現のさまから、蟹の名が本尊に付いたとされる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年))
『日本伝説名彙』は、柳田國男の指導のもとに日本放送協会が昭和二十四年に編んだ伝説の名彙である。全国の伝説を、その拠り所となる木・石・岩・橋・清水・淵・塚・坂・屋敷・地蔵などの地物の名ごとに集め、伝わる県郡村名を付して、郡誌・市町村誌や伝説集、民間伝承誌などの出典を括弧で示す。冒頭に柳田の「傳説のこと」を置き、木・石岩・水・塚・坂峠・祠堂の部に分けて、巻末に資料の解説と種類別索引を付す。