大潮に現れる舟形の木履石
どんな伝承か
渥美郡大津村の若宮、その沖の海に舟の形をした石が沈んでいる。裏を外へ向けており、三月の大潮のときだけ姿を見せるという。これを木履石と呼び、二柱の神がこの石に乗ってこの浜へ着き、神別坂で一柱は八名郡の石巻山へ、もう一柱は渥美の神戸へ向かわれたと伝える。村人は近くの笠山と嚢湾、それにこの木履石の三か所で雨乞いをし、その折に歌をうたうという。
原典より
若宮の海中に舟形石で、裏は外を向いてあり、三月の大汐には見えるといふ。—— 日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年))
『日本伝説名彙』は、柳田國男の指導のもとに日本放送協会が昭和二十四年に編んだ伝説の名彙である。全国の伝説を、その拠り所となる木・石・岩・橋・清水・淵・塚・坂・屋敷・地蔵などの地物の名ごとに集め、伝わる県郡村名を付して、郡誌・市町村誌や伝説集、民間伝承誌などの出典を括弧で示す。冒頭に柳田の「傳説のこと」を置き、木・石岩・水・塚・坂峠・祠堂の部に分けて、巻末に資料の解説と種類別索引を付す。