大黒様に枝大根を分けた下女
どんな伝承か
遠野では十二月十日の夜、大黒様の年取りに大根を供えるという。大黒様が餅を食べ過ぎて苦しんだとき、母神が生の大根を食べるよう勧めたが、あいにく手元になかった。そこで川端で大根を洗っていた下女に一本ねだったところ、これは主人のものだからと断られ、代わりに枝分かれした大根の枝を折って渡された。大黒様はそれで命拾いをしたと伝える。なお、この土地には大根川という川の名は伝わっていないという。
原典より
ここでは大根川の名はないが、十二月十日の晩の大黒様の年取りに大根を上げるといはれる。—— 日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年))
『日本伝説名彙』は、柳田國男の指導のもとに日本放送協会が昭和二十四年に編んだ伝説の名彙である。全国の伝説を、その拠り所となる木・石・岩・橋・清水・淵・塚・坂・屋敷・地蔵などの地物の名ごとに集め、伝わる県郡村名を付して、郡誌・市町村誌や伝説集、民間伝承誌などの出典を括弧で示す。冒頭に柳田の「傳説のこと」を置き、木・石岩・水・塚・坂峠・祠堂の部に分けて、巻末に資料の解説と種類別索引を付す。