怪僧の正体が老狐だった今江の狐塚
どんな伝承か
寛永十七年、那谷寺の修築にあたった奉行の園田某が、頭梁とともに粟津の温泉に泊まっていた。念仏山へ毎晩説法に来るという怪しい僧がいると聞き、捕らえてみると正体は年経た狐であった。狐は、串の遊郭に猫の化けた遊女がいて人に害をなしていると告げる。訪ねていって撲殺したものの、老狐のほうはすでにその怪猫に殺されていた。土地の人はこれを埋めて狐塚とし、猫も祀って猫宮と呼んだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年))
『日本伝説名彙』は、柳田國男の指導のもとに日本放送協会が昭和二十四年に編んだ伝説の名彙である。全国の伝説を、その拠り所となる木・石・岩・橋・清水・淵・塚・坂・屋敷・地蔵などの地物の名ごとに集め、伝わる県郡村名を付して、郡誌・市町村誌や伝説集、民間伝承誌などの出典を括弧で示す。冒頭に柳田の「傳説のこと」を置き、木・石岩・水・塚・坂峠・祠堂の部に分けて、巻末に資料の解説と種類別索引を付す。