関川の橋の下の淵で背を干すガッパ
どんな伝承か
南関町の南の端を小さな関川が流れ、幅三間、長さ十間ほどの木の橋が架かっている。その下は以前小さな淵で、ガッパがいるといううわさが昔からあった。橋のたもとの元気な老人は、毎朝早くその淵の下手へ行って顔を洗い、朝日を拝むのを日課にしている。以前は夏になると、上手の淵の上でガッパが背中を干していて、人影を見ると淵に飛び込んだり、下手の浅瀬で五つ六つの子どもが水遊びでもしているようにばちゃばちゃさせたりするのをよく見たという。ここ二十年ほどは、もうめったに見ないそうである。
原典より
わしはこの目で何べんも見たんじゃ。—— 現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。