軌道のすすきから出た赤い河童
どんな伝承か
もやっとした日の十時頃、トロッコの軌道を歩いて行ったところ、二匹でじゃれるような恰好をしたものが、軌道脇のすすきの陰から出てきた。気味が悪いので石をつかんで投げると、川へ飛び込んでしまった。口のところは黒く尖っており、七、八センチほどの尾があった。頭の皿はよく見る間がなかった。耳は犬のように立ってもさがってもおらず、ただ変わったものだった。毛の色は赤かったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。