根神の祈りに応えた山のブナガヤ
どんな伝承か
大宜味村謝名城の話。語り手の祖母が、今はムラの水源池になっているダキシキという山へ薪取りに行くと、髪が真っ赤で背丈一メートルもない、三、四歳ほどの子どもが石の上に座っていた。根神だった祖母は落ち着いて道具を置き、謝名城の根神である自分は薪取りに来た身で引き返せないので、一度で薪の多い所に巡り合わせ、無事に帰してほしいと祈った。すると座っていた者は消え、近寄ると石の上には大きなカニが裏返しにされ、手を震わせていた。祖母はこれをブナガヤだと考え、願いどおり一か所で薪を取って帰れたという。ブナガヤは人を助けるものだと祖母は語った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。