熊と思って撃つと山じゅうに笑い声
どんな伝承か
長野県下水内郡栄村の小赤沢に伝わる話。ある時、岩の上にちょこんといる真っ黒なものを見つけ、熊ではあるまいかと鉄砲でドォーンと撃った。すると山じゅうにワッハッハーと、まるで山中に響き渡るようにして笑う声がしたという。語り手の福原徳次郎は、これは自分の孫親にあたる五衛門の話だと述べている。出典は前条と同じく、日本民話の会の「あまんじゃく」八号である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。