タナオクリの夜に枕元へ来た祖母
どんな伝承か
長野県下水内郡栄村小赤沢での話。上の家のばあちゃんが亡くなって七日になったので、タナオクリに如来様の掛軸を持って念仏に行った。念仏が終わり、仏壇の位牌の前で寝ていると、十一時頃だったか、亡くなったばあちゃんが枕元へ来て座り、こちらをのぞき込んでいる。何か言いたげな様子だが何も言わず、いつまでも行かずに見ている。兄に嫁が来ないのを心配していたので、そのことを言おうとしているのだなと思ったが、どう返してよいか分からない。仕方がないので南無阿弥陀仏と何回か念仏を唱えたところ、わっと消えてしまったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))
『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。