母が子の足の痛みを連れ去った話
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どんな伝承か
昭和三十四年、東京都世田谷区桜新町での話。語り手は事情があって母が三度替わり、三人目の母は十七歳の時に来た。その母が乳癌で五十日間入院し、三年間闘病するあいだ、精神的にも経済的にもできる限りのことをした。ある日母は「何一つ貴女に親らしいことをしてあげられなかった」と嘆き、「私が死ぬときせめて足の痛みを持っていってあげたい」と言った。当時語り手は左足を捻挫し、半年通院しても痛みが取れずにいた。一か月ほどして母は亡くなり、火葬場で手を合わせていると、突然その足の痛みが消えていることに気づいた。以来二十三年、痛みを覚えたことはないという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。
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