重石をつけて捨てた猫の浮上
どんな伝承か
嫁いできた頃、野良猫が居ついて台所を荒らし、寝ていると胸の上に乗ってくるので気味が悪く、弟に頼んで捨ててきてもらった。ところが五、六日で戻ってきてしまう。その話を訪ねてきた父にすると、猫を邪険にしてはいけないと言って昔語りを聞かせてくれた。父たちが子どもの頃、みなでかまい殺してしまった猫に縄をかけ、重石をくくりつけて川下へ投げ捨てたことがある。何日かして大雨で川が増水し、喜んで飛び込んで泳いでいると、目の前にその猫が浮かび上がったというのである。猫は魔物だからひどい目に遭わせるなと戒められた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 10 狼・山犬、猫(松谷みよ子・現代民話考・1970年代~1980年代推定)
松谷みよ子『現代民話考 10 狼・山犬、猫』を小話単位で全541話収録。狼・山犬・猫にまつわる現代の民話・怪異譚(送り狼・化け猫など)を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明535話・市区町村判明490話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。