観音像に写り込んだ老女の顔
どんな伝承か
青森県青森市での話。昭和五〇年七月一六日の夜八時二五分の撮影である。生前、観音像を大切にしていたお婆さんが老齢のために亡くなった。由緒ある観音像を遺骨と一緒に埋葬するのは惜しいというので、遺族一同が相談のうえ、観音像の写真を撮ってそれを骨箱に入れることになり、その夜、お婆さんの死んだ部屋で長男が撮影した。すると観音像の上部に、かなり鮮明な老女の顔が写し出されていた。家族一同は恐怖のあまり、数日間はだれも眠れなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年))
『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』は、松谷みよ子が一九九六年にまとめた現代民話の資料集で、同シリーズの第十二巻にあたる。雑誌での呼びかけやアンケート、聞き書きで寄せられた話と新聞・雑誌の記事を、心霊写真をめぐる怪異と、明治以降の電信・汽車・電気燈などの新しい文物や流行病に戸惑う人々の話に分けて収める。話例ごとに本文を掲げて各地の類話を分布として並べ、話者や回答者の名と出典を添える。