塾の消えた教室と笑う学長の写真
どんな伝承か
新潟市の女子児童(一二歳)が語った学校の怪談。夏休みに友だちと塾へ通っていたある日、Zという見慣れない教室をのぞくと、そこは地下室になっていた。中には先生がいて、竹に関することなど勉強とは関係のない妙なことを教わり、気がつくと自宅に戻っていたという。翌日その塾を訪ねると、Zという部屋はどこにも見当たらなくなっていた。後日、塾の学長の写真を見せてもらうと、写真の中の学長がこちらを見て笑っているように見え、その学長は六十年前、戦争で亡くなった校長先生だと聞かされ、とても怖かったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年))
『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』は、松谷みよ子が一九九六年にまとめた現代民話の資料集で、同シリーズの第十二巻にあたる。雑誌での呼びかけやアンケート、聞き書きで寄せられた話と新聞・雑誌の記事を、心霊写真をめぐる怪異と、明治以降の電信・汽車・電気燈などの新しい文物や流行病に戸惑う人々の話に分けて収める。話例ごとに本文を掲げて各地の類話を分布として並べ、話者や回答者の名と出典を添える。