寺へ行く人魂
どんな伝承か
新潟県西蒲原郡黒崎村に住む安藤キヨさんが体験した話である。明け方近く、家の前の小川で洗濯をしていると、遠くから提灯を下げた人が近づいてくるように見えた。こんな早くに誰だろうと訝しんでいると、近づいてきたそれは人魂で、まるで人が歩くようにフワッフワッとキヨさんの前を通り過ぎ、隣の寺へと入っていった。後になって、ちょうどその時刻に村の又兵衛という人が亡くなっていたと聞かされたという。文部省の調査資料に記録された体験談である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の世界 ― 心霊科学入門(板谷樹・宮沢虎雄・1971年(昭和46年))
『霊魂の世界――心霊科学入門』は、板谷樹と宮沢虎雄が昭和四十六年に著した心霊科学の入門書である。古代の霊魂観や内外の幽霊の記録に始まり、ハイズビル事件と英米の心霊研究学会の創立、霊視・霊言などの精神的現象、物質化や心霊写真などの物理的現象、心霊治療、死と再生までを、日本心霊科学協会での実験や勝五郎再生の現地調査を交えて述べる。全十二章からなり、昭和四十二年に徳間書店から出た同題の本に筆を加え、同協会が自費出版したものである。