曾祖母の顔になっていた妻の写真
どんな伝承か
妻の小さい頃の写真を二人で見ていると、何ページめかに見慣れない女の子が晴着を着て玄関先に立っている写真があった。ずいぶんふけた女の子だと思って誰かと尋ねると、妻は自分だ、中一の頃の写真だと言う。だが前のページまでの妻の顔とは別人であった。その夏、妻の母の実家を訪ねたとき、仏壇の上に飾られた写真の中に、あの顔とそっくりな顔があってはっとした。妻の曾祖母の写真であった。妻は曾祖母にとてもかわいがられ、晴着を着ると嫁のようだと喜ばれたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考・1990年代初期(平成初期))
松谷みよ子『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』を小話単位で全550話収録。心霊写真など写真の怪と、文明開化期の怪異にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明496話・市区町村判明377話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。