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霊匣の脇に写った亡き子と祖母

所在地東京都江東区富川町
年代大正一三年
登場中村三蔵、中村久吉、高沢良久、当事者、亡くなった末子、三蔵の妹
出典現代民話考 12 写真の怪・文明開化

どんな伝承か

大正一三年、東京市深川区富川町三一番地に住む中村三蔵の末子久吉が、暮から患って翌年五月一六日に一二の歳で亡くなった。三蔵夫婦は仏式で葬儀を営んだが気がすまず、三〇日後に天地教院という神道の教会に頼んで神式の霊祭を行い、霊匣を床の間に据えた。九日後、他家へ養子に出ていた次男が写真機を持って訪ね、父三蔵や叔母の良久を撮って帰り現像すると、良久の写真には白衣に頭陀袋を掛けた久吉の姿が、霊匣の脇には三六で亡くなった三蔵の母が写っていた。三蔵の写真には三代前の老婆が写り、都新聞などが書き立てて評判になったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年))

『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』は、松谷みよ子が一九九六年にまとめた現代民話の資料集で、同シリーズの第十二巻にあたる。雑誌での呼びかけやアンケート、聞き書きで寄せられた話と新聞・雑誌の記事を、心霊写真をめぐる怪異と、明治以降の電信・汽車・電気燈などの新しい文物や流行病に戸惑う人々の話に分けて収める。話例ごとに本文を掲げて各地の類話を分布として並べ、話者や回答者の名と出典を添える。

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