座敷に立っていた見知らぬ女の写真
どんな伝承か
昭和五七年頃の話。曹洞宗湯船寺に嫁いで一ヶ月目の嫁が、奥の座敷を掃除に入ると、年の頃七〇ほどの品の良い女が立っていた。驚いて居間へころげこみ母に告げると、近々女の客が来るのだと言われ、初めて寺の言葉を知った。三日後に町の酒造会社の奥さんが亡くなり、寺で告別式をすることになった。嫁も手伝っていて、位牌や供養物とともに飾られた写真をふと見ると、先日座敷で見た女の人であった。驚いて身震いし、体が浮くようになって歩けなくなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考・1990年代初期(平成初期))
松谷みよ子『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』を小話単位で全550話収録。心霊写真など写真の怪と、文明開化期の怪異にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明496話・市区町村判明377話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。