大雄寺の葬儀で写らなかった記念写真
どんな伝承か
一九六八年七月一七日、話者の母須磨子が五七歳で亡くなった。葬儀は高山市の大雄寺で執り行い、そのあと親族や縁のあった者たちで写真を撮った。祭壇を背にして皆が並び、高山市のひらつか写真館の主人という職業の写真屋が撮影したのだが、出来上がった写真はことごとく失敗だった。写真屋も首をかしげるばかりで、なぜか何も写っていなかったのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年))
『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』は、松谷みよ子が一九九六年にまとめた現代民話の資料集で、同シリーズの第十二巻にあたる。雑誌での呼びかけやアンケート、聞き書きで寄せられた話と新聞・雑誌の記事を、心霊写真をめぐる怪異と、明治以降の電信・汽車・電気燈などの新しい文物や流行病に戸惑う人々の話に分けて収める。話例ごとに本文を掲げて各地の類話を分布として並べ、話者や回答者の名と出典を添える。