蔓に実ると待ち続けたさつま芋
どんな伝承か
明治より前、さつま芋の栽培が土佐の国に広まり始めたころの話。山あいの農民はさつま芋が蔓に実るものと思い込み、木や竹を立てて蔓を巻き付け、実るのを待ち続けた。いつまでたっても芋はならず、とうとう腹を立てて蔓を引き抜くと、土の中から芋が出てきた。そこで初めて、さつま芋が土の中にできる作物だと知ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年))
『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』は、松谷みよ子が一九九六年にまとめた現代民話の資料集で、同シリーズの第十二巻にあたる。雑誌での呼びかけやアンケート、聞き書きで寄せられた話と新聞・雑誌の記事を、心霊写真をめぐる怪異と、明治以降の電信・汽車・電気燈などの新しい文物や流行病に戸惑う人々の話に分けて収める。話例ごとに本文を掲げて各地の類話を分布として並べ、話者や回答者の名と出典を添える。