金谷山を滑るレルヒ少佐を幽霊と見誤る
どんな伝承か
明治四四年頃、オーストリアのレルヒ少佐が日本で初めてスキーを伝えた。後に「日本スキー発祥の地」となった高田市郊外の金谷山は、それまで冬に登る人などいなかった。雪の夕暮れ、金谷山からスキーで滑り降りてくる少佐の姿を見た近隣の人々は、幽霊と見間違えて家に逃げ込んだという。今この山にはレルヒ少佐の一本杖のスキー姿の銅像が建っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年))
『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』は、松谷みよ子が一九九六年にまとめた現代民話の資料集で、同シリーズの第十二巻にあたる。雑誌での呼びかけやアンケート、聞き書きで寄せられた話と新聞・雑誌の記事を、心霊写真をめぐる怪異と、明治以降の電信・汽車・電気燈などの新しい文物や流行病に戸惑う人々の話に分けて収める。話例ごとに本文を掲げて各地の類話を分布として並べ、話者や回答者の名と出典を添える。